【3月10日 AFP】昨年12月に花火市場が大爆発する事故で死者42人を出したメキシコの町で8日、恒例の壮大な火祭りが開催され、「花火の都」の華やぎ復活へ一歩を踏み出した。

 首都メキシコ市(Mexico City)の北に位置するトゥルテペック(Tultepec)は、19世紀から火薬の生産が盛んで、メキシコの花火生産の中心地として知られる。しかし、昨年のクリスマス直前に花火市場で大爆発が起き、42人が死亡、70人が負傷する惨事に見舞われた。

 そのトゥルテペックでは8日夜、キリスト教カトリックの聖人ヨハネを記念した「サンフアン・デ・ディオス(San Juan de Dios)」が華やかに開催され、火花を散らすたくさんの花火や紙でできた数百体の雄牛の人形が燃える中、数千人の参加者が火の粉をかいくぐって駆け回り、危険な祭りを楽しんだ。

 トゥルテペックの火薬業者ウリエル・ゴンサレス(Uriel Gonzalez)さん(18)は、AFPの取材に「花火の美しさには、命を懸けるだけの価値がある」と語った。

 地元自治体によるとトゥルテペックでは、中米諸国や米国向けに年間400万ドル(約4億6000万円)相当の花火を輸出している。(c)AFP