【3月9日 AFP】カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のシャペコエンセ(Chapecoense)が7日、選手を含む多数の犠牲者を出した航空機墜落事故後、初めての国際試合を白星で飾った。

 昨年11月の事故から22人の新戦力を補強したシャペコエンセは、同日行われたリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2017)のグループステージで、ベネズエラのスリアFC(Zulia FC)を2-1で破った。

 決勝点を挙げた25歳のMFルイス・アントニオ(Luiz Antonio)は、南米で最も権威のある大会で白星発進を決めた直後、まだまだ長い道のりが残されていると話した。

 元フラメンゴ(Flamengo)のアントニオは報道陣に対し、「シャペコエンセが前に進む手助けをしたいという夢がある。そこに少しずつ近づいていきたい」としたうえで、「これから多くの人々を驚かせていくよ」と語った。

 コパ・スダメリカーナ(2016 Copa Sudamericana)決勝の舞台に向かっていたシャペコエンセは、昨年の事故で選手19人とスタッフを失い、わずか7年で4部から強豪に生まれ変わったチームは再建を余儀なくされていた。

 ベネズエラ・マラカイボ(Maracaibo)にあるエスタディオ・ホセ・パチェンチョ・ロメロ(Estadio Jose Encarnacion "Pachencho" Romero)に3万6000人が詰めかけたこの試合では、ウインガーのレイナルド(Reinaldo)がシャペコエンセに初得点をもたらした。

 戦前には、試合に勝つことが犠牲者への「最高の贈り物」になるだろうと話していたシャペコエンセのヴァグネル・マンシーニ(Vagner do Carmo Mancini)監督は、試合後の記者会見で、「傷を負ったシャペコ(Chapeco)の街は勝利に値する」としたうえで、「単に勝ち点3を得られる白星ではなく、勝ち方が大きかった。いいプレーで白星を収められた」と喜んだ。(c)AFP