【3月9日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)は8日、決勝トーナメント1回戦第2戦が行われ、セルジ・ロベルト(Sergi Roberto)が後半ロスタイムに勝負を決めるゴールを奪ったFCバルセロナ(FC Barcelona)が、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を6-1で退け、歴史的な逆転を果たし準々決勝に進出した。

 ロベルトはBeINスポーツ(BeIN Sports Spain)に対し、「なんでもいいから体を投げ出した。アウェーから帰ってくるときはすごく打ちのめされた気分だったけれど、今は夢みたいだ。みんなで準備してきたのは、すべてこのときのためだった。ファンのおかげで10人多く戦っているような気分だったし、最後はファンの勝利だ」と語った。

 イバン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)も「信じられない。第1戦の後はいろんな人から厳しいことを言われたけれど、今夜は格別だ。僕らは歴史をつくった。バルサが世界最高のチームなのは自分たちでわかっている」と述べた。

 第1戦に0-4で敗れたバルセロナだが、退任を発表したルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は試合前、自分たちには6点取る力があるという不敵なコメントを残していた。そしてその言葉通り、チームは95分を目いっぱい使って奇跡の逆転突破を成し遂げた。

 ルイス・スアレス(Luis Suarez)のゴールで先制し、さらに相手のオウンゴール、リオネル・メッシ(Lionel Messi)のPKで順調に得点を重ねていたバルセロナだったが、エディンソン・カヴァーニ(Edison Cavani)に絶対に与えてはいけないアウェーゴールを許し、状況が厳しくなったかのようにみえた。

 それでもバルセロナは、後半43分にネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)の直接FKと、その直後のPKで息を吹き返すと、迎えたロスタイム5分、ネイマールがゴール前に上げたボールをロベルトが体を必死に伸ばして押し込み、チャンピオンズリーグ史上最大の逆転劇を完遂させた。その瞬間、10万人近い観客が入ったカンプ・ノウ(Camp Nou)は歓喜に揺れた。

 この結果、バルセロナは2試合合計スコア6-5で勝ち上がった。0-4からの逆転突破はチャンピオンズリーグでは初めての出来事で、10シーズン連続の8強入りも史上最長記録となる。

 一方、敗退したPSGのナセル・アル・ケライフィ(Nasser Al-Khelaifi)会長は「悪夢だ。7分間で3失点というのは想像していなかった。全員が動揺しているが、今はその話はしたくない」とコメントした。(c)AFP/Kieran CANNING