■足の臭いで蜜が出る花を探す

 一つの実験では、花蜜を出す造花には常にハチと同じ群れの仲間の足の臭いがついている一方、ご褒美の出ない花には前回訪れた時の自分自身の臭いが残っているようにしてマルハナバチを訓練した上で試験を行った。

 試験では異なる足の臭いがする全ての造花から花蜜を取り除いて水しか出ないようにした。その結果、大半のケースでハチたちは訓練時と同じように行動した。

 ハチは、甘いご褒美が出ると学習した臭いがする造花から花蜜をすすろうとした。これは、ハチが足の臭いを嗅ぎ分けられることを示していると研究チームは説明している。

 この臭いはハチが花弁などの滑りやすい面に止まりやすくする分泌物に含まれるもので、数時間持続する。

 ピアース氏によると、野生のマルハナバチは臭いを識別する能力を利用して自分より先にどのような種類のハチが花を訪れたか、どれくらいの時間滞在したか、その後どのくらい時間が経過したかなどを感知しているとみられるという。

 ピアース氏はAFPに対し「ハチが強力な嗅覚の持ち主で、空港で『嗅覚探知ハチ』として活用できる可能性があることは以前から示唆されていた」と語った。「ハチの嗅覚がイヌより優れているかどうかは分からないが、もしそうだとしても私は驚かない」 (c)AFP/Mariëtte Le Roux