【3月7日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ニューヨーク・ニックス(New York Knicks)は5日、本拠地マディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で行われた試合前半に音楽の再生を禁止する新たな試みを実施したが、ゲーム後には選手らから不評を買う結果となった。

 同日行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)との一戦では、ファンが「最も純粋な形で試合を経験」できるよう、試合前半は音楽が再生されないことを忠告するメッセージがスタジアム内のスクリーンに映し出された。

 しかしながら、今回の試みには選手らから不満が爆発。ウォリアーズのスティーブ・カー(Steve Kerr)ヘッドコーチ(HC)からは、会場の雰囲気は「まるで教会のよう」だったというコメントも飛び出した。

 チームが112-105で勝利した試合後、カーHCは「本当に異様だった。NBAでは毎試合、バックグラウンドミュージックが流れていたり、さまざまなことが起きたりしているから、このように感じるのはある意味当然だ。まるで教会みたいだった」と語った。

 ウォリアーズのスター選手であるステフェン・カリー(Stephen Curry)も中学生の試合を引き合いに出して、この日の雰囲気には混乱したと話した。

「チームの内輪だけで行う中学校の練習試合みたいだった…。音楽だけでなく、エンターテインメント的な仕掛けのようなものもなかったし、明らかに違った」

 さらに同僚のドレイモンド・グリーン(Draymond Green)は、今回の試みはリーグに対して「失礼」だと口にするなど、より率直な不満を漏らした。

「ばかげていた。誰に対しても本当に失礼だったと思う…。エンターテインメント的な観点からNBAの変革をしてきたすべての人びとに対してね」

「人は物事を進化させようとするものだ。悪かったものに戻るなんてことはしない。コンピューターが何だってできるというのに、紙に逆戻りするのと同じ。どうしてそんなことをするんだ?」

 また、ニックスの選手にとっても今回の試みは好印象でなかった様子で、クリスタプス・ポルジンギス(Kristaps Porzingis)は、「好きじゃなかった。僕にとっては変。でも昔はこのような感じだったのだろうと思うけど」とコメントした。(c)AFP