【3月6日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からシリア政府軍が再奪還したシリア中部パルミラ(Palmyra)の古代都市遺跡に週末、シリア人音楽家たちの歌と演奏が響き渡った。

「私たちは帰って来る、おお愛よ」――。15歳の歌手アンゲル・ダユブ(Angel Dayoub)さんは、激しい破壊の爪痕が残る円形劇場のステージでのびやかに歌った。ISは2日、ロシア軍に支援されたシリア政府軍が迫る中、遺跡を放棄。シリア軍が週末に遺跡を報道公開する中、若い音楽家たちが集まった。

「多少の破壊では、私たちがここへ戻り、このステージで演奏するのを止めることはできません」。AFPの取材にこう述べたダユブさんは、「ISが排除されたあらゆる場所で音楽を奏で、歌いたい。彼らは歌を嫌い、楽器の演奏を禁じたから」と力強く語った。

 ダユブさんの歌に合わせ、さまざまな年齢の音楽家たちがバイオリンやタンバリン、そしてアラブ世界で愛されている弦楽器「ウード」などを演奏した。「誰もが、自分たちのやり方で(シリアの)復興を目指しています。私たちは音楽と歌で復興を成し遂げたい」とダユブさんは話した。(c)AFP/Maher al-Mounes