【3月2日 AFP】ファッションブランドの「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は1日、フランス・パリ(Paris)のファッションウィークで起用するモデルたちに「加虐的な」扱いをしたと批判されているキャスティング・エージェンシーとの契約を打ち切ったと発表した。

 バレンシアガは、5日に予定されているショーのキャスティングのため、窮屈な階段の吹き抜けで3時間にわたって待たされた女性150人に謝罪の手紙を送ったことも明らかにしている。

 インスタグラム(Instagram)に投稿した写真で、モデルたちへの対応を「加虐的で残酷だ」と非難した米国のキャスティング・ディレクター、ジェームズ・スカリー(James Scully)氏によると、キャスティング・ディレクターたちが昼食に出ている間、暗い場所に閉じ込められていたモデルたちもいたという。

 スカリー氏はまた、パリのある有名ブランドが、ショーに15歳のモデルを「こっそりと」登場させようとしていたことについても非難した。ブランドの名前は明らかにされなかった。

 バレンシアガはAFPの取材に対し、「現在のキャスティング・エージェンシーとの契約を打ち切ることも含め、キャスティングのプロセスを根本から見直している」と述べ、また「バレンシアガはこの出来事を糾弾し、モデルたちの労働環境に最大の敬意を払うよう懸命な努力を続ける」とした。

 スカリー氏は仏ブランド「ランバン(LANVIN)」に対しても、黒人モデルに対する差別があると批判した。しかし、同ブランドのデザイナー、ブシュラ・ジャラール(Bouchra Jarrar)氏は、「私たちの楽屋はあらゆる出身地(国)の女性たちであふれている。もっと言うなら、フランス人は一人もいない」と、強く反論した。

 1日に行われたジャラール氏のショーに登場した黒人モデルは2人。彼女の昨年のランバンでのデビューコレクションでも同じ人数だった。ランバンのオーナーは、台湾出身の女性実業家、王効蘭(Shaw-Lan Wang)氏だ。(c)AFP/Fiachra GIBBONS