【3月2日 AFP】(更新)シリア政府軍は1日夜、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が昨年末に再び制圧していた同国中部の遺跡都市パルミラ(Palmyra)に進攻し、一部を掌握したことが分かった。一方でISは、1日夜から2日未明にかけて、同市の大部分から撤退したという。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。ただ、奪還を目指す政府軍は、地雷のため進攻を一時的に停止しているという。

 ロシアの支援を受ける政府軍は、IS側と激しい戦闘を繰り広げた後、1日遅くに市西部に進攻。その一方でISは、監視団によると2日朝までに市東部の住宅地区へと撤退したという。

 監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPの取材に「政府軍はパルミラの西部地区に入り、その一部を支配下に置いた」と述べた。また、「ISはパルミラの各地に地雷を敷設した後、同市の大部分から撤退した」と明かした上で、「政府軍は市中心部および東部に進入できていない」と語った。

 同氏は先に、ロシア兵らの支援を受けるシリア政府軍がパルミラを見下ろす複数の丘の頂を相次いで制圧し、市の西側を射程圏内に収めたと明らかにしていた。さらに「政府側は(丘の上にそびえる)城塞の奪還に近づいている。ISはそこから既に撤退しているが、自爆犯が残っている可能性はある」とも指摘していた。

 パルミラはISが2015年5月に制圧し、記念碑や神殿を破壊したり古代の遺物を略奪したりした。昨年3月に政府軍がいったん奪い返していたが、同12月に再びISが制圧していた。

 ISは今年に入り、ローマ(Roma)帝国支配時代にさかのぼる四面門を新たに破壊。衛星画像から劇場の正面門が壊されていることも判明した。国連(UN)はこれらの破壊を「戦争犯罪」と非難している。(c)AFP