【3月1日 AFP】モロッコで発見された約6600万年前の海生爬虫(はちゅう)類の骨格標本を競売にかける計画に異議を唱えている同国の地質学者らが先月28日、標本の返還を要求した。

 標本はおよそ9メートルのプレシオサウルス類の首長竜の化石で、モロッコの都市フリーブカ(Khouribga)近郊のリン鉱床の堆積盆地で発見された。今月7日に仏競売会社ドゥルオ(Drouot)がパリ(Paris)で行う競売に出品する予定になっている。

 ドゥルオの競売カタログによると、プレシオサウルスは「何世紀にもわたり科学者やファンたちをとりこにした最も象徴的な『巨大古代生物』の一種」で、英北部スコットランド(Scotland)のネス湖(Loch Ness)に生息するとされる伝説上の怪獣「ネッシー(Nessie)」のモデルになったと考えられるという。

 しかしモロッコ地質遺産保護協会(APPGM)は先月28日、この標本は同国の「貴重な歴史的遺産」だとして競売の計画を批判した。

 同協会はモロッコの地質学の権威にこの標本が輸出許可を得ているか調査を依頼し、もし無許可であれば、競売の主催者と交渉してモロッコに返還させるよう当局に求めていくとしている。(c)AFP