【2月24日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)が23日、チーム残留を明言し、中国行きのうわさに終止符を打った。

 英国メディアは、ルーニーの代理人ポール・ストレットフォード(Paul Stretford)氏が中国で複数のクラブと交渉していると報じていた。しかし、ユナイテッドとイングランド代表で主将を務めるルーニーは、オールド・トラフォード(Old Trafford)にとどまることを明言した。

 英通信社プレス・アソシエーション(Press AssociationPA)で声明を発表したルーニーは、「ほかのクラブが関心を示していることはうれしく思うが、最近世間をにぎわせている推測を終わりにしたい。僕はマンチェスター・ユナイテッドに残る」と述べている。

「主力として4つのタイトル獲得を目指すチームに貢献したい。クラブはエキサイティングな時期にあるので、その一部であり続けたい」

 31歳のルーニーは、ユナイテッドと2018年6月まで契約を結んでおり、クラブ側が1年延長のオプションを有している。

 ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、最近の試合でルーニーを起用しないことも増えており、同選手の将来に関する臆測は勢いを増していた。

 ユナイテッドの歴代最多得点記録を持つルーニーには、中国スーパーリーグ(1部)の広州恒大(Guangzhou Evergrande)、北京国安(Beijing Guoan)、江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)、天津権健(Tianjin Quanjian FC)が関心を示しているとうわさされていた。

 英国メディアは、ルーニーが中国に行けば週給100万ドル(約1億1200万円)で世界最高年俸になると伝えていたが、今回の声明により、28日に閉じる今冬の中国スーパーリーグの移籍市場でルーニーが中国に行く可能性はなくなった。

 22日に行われたヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)決勝トーナメント1回戦、サンテティエンヌ(AS Saint-Etienne)との第2戦はけがのため欠場したものの、フランスでもルーニーの移籍は話題の中心だった。

 試合前の会見でモウリーニョ監督は、ルーニーの将来は選手自身にかかっているとの見解を示し、「彼(ルーニー)にたずねるべきだ。私には(残留を)保証することはできない。私自身が来週ここにいることも私には保証できないんだ。選手が来季もここにいるなんてどうして保証できる?」と語っていた。

■モウリーニョ監督「レジェンドを追い出すことはない」

 その一方でモウリーニョ監督は「もしウェインがいつかクラブを離れる日が来たとしても、それは私が望んだからではないということは保証する」としている。

「これが唯一私に保証できることだ。私はこのクラブのレジェンドが、ほかの運命をたどるよう働きかけることさえしないだろう」

「残りのキャリアをここで過ごすか、それとも移籍するかは彼に聞かなければならない。私への質問ではない。私は彼がいることに満足しているのだから」

 2004年に18歳でエバートン(Everton)から移籍金2700万ポンド(当時約40億円)でユナイテッドに加わったルーニーは、リーグ優勝5回に加え、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇も経験している。

 中国行きのうわさに終止符を打ったことで、ルーニーへの関心は、26日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われるサウサンプトン(Southampton FC)とのイングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2016-17)決勝に出場できるかどうかになっている。

 ユナイテッド残留が決まったものの、大金を積まれて中国に渡った元チームメートのカルロス・テベス(Carlos Tevez)、前チェルシー(Chelsea)のオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)、前ワトフォード(Watford FC)のオディオン・イガロ(Odion Ighalo)と同じ足跡を、ルーニーがいつかたどる可能性があることは否定できない。

 イングランド代表の最多得点記録保持者でもあるルーニーは、現在119キャップを刻んでおり、ピーター・シルトン(Peter Shilton)氏の持つ最多出場記録125に迫っている。なお、ルーニーは2018年のロシアW杯(2018 World Cup)で代表から引退すると公言している。(c)AFP/Julian GUYER