【2月23日 AFP】グアテマラを訪れたジョン・ケリー(John Kelly)米国土安全保障省長官は22日、同省が不法移民の厳格な取り締まりを開始する新たな命令を出したことをめぐり、不法移民に対する大規模な一斉検挙や強制送還は行わないとした上で、メキシコとの国境は断固として「コントロール下に置く」と述べた。

 グアテマラのジミー・モラレス(Jimmy Morales)大統領と会談後、同国で記者会見を行ったケリー長官は「大規模な強制送還は行わないつもりだ」と述べた。ただ一方で、米国に違法に滞在するとみなされた移民たちを取り締まるというドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の指示を実効化させるために、自身が22日に署名した2つの覚書により、裁判所の適正な手続きを確保しつつ、「犯罪者たち」を優先的に国外退去させると述べた。

 ケリー長官は「大規模な一斉検挙は行わないつもりだ。誰かを拘束した時には、米国の司法制度下に置かれる──彼らの処置を決めるのは裁判所だ」と語った。

 トランプ政権の高官として初めてケリー長官が訪問したグアテマラでは、暴力と貧困に苦しむ多くの人々が米国へと不法入国している。中南米からやってきた不法移民の多くが米国から送金しており、祖国で暮らす家族に不可欠な経済基盤を提供している。(c)AFP