【2月23日 AFP】リオデジャネイロパラリンピックの車いすフェンシング、女子フルーレ個人Bで金メダルを獲得したイタリアのベアトリーチェ・ビオ(Beatrice Vio)が、オンライン上で匿名の人間から大がかりな性的嫌がらせを受け、法的措置を講じたことが明らかになった。国内メディアが22日に報じている。

 非常に厳しい障害がありながらも、それを克服したビオは、イタリア国内で尊敬を集めるスポーツ選手だった。それだけに国内では差別を行った人への怒りと、インターネットを使った彼女への中傷に対する衝撃が広がっている。

 日刊紙レプブリカ(La Repubblica)に対し、ビオは「フェイスブック(Facebook)にページを作った人たちを相手に、苦情を申し立てました。毅然(きぜん)とした対応が必要です」と語った。

「くやしいです。ずっとほかのみんなのために闘ってきたのに、インターネットで私を傷つけても平気な人がいるかと思うと、とても残念です。悲しいです」

 イタリアの消費者団体コダコンズ(Codacons)は、フェイスブック側が問題のページを削除し、首謀者を特定するための法的手続きに着手したことを明らかにしている。

 現在19歳のヴィオは、幼い頃に髄膜炎を患って両腕の肘から先、両脚の膝から先をなくしたが、5歳でフェンシングを始め、リオパラリンピックでは金メダルを獲得した。

 先日授賞式が行われた2017年のローレウス・ワールド・スポーツ・アワード(2017 Laureus World Sports Awards)では、「年間最優秀障害者選手賞」を受賞し、イタリアでは障害者スポーツに励む選手たちの旗手となっていた。(c)AFP