【2月18日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は17日、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)の旅客機「787ドリームライナー(787 Dreamliner)」の最新型の公開に合わせてサウスカロライナ(South Carolina)州にある同社工場を視察し、演説で「米国製品を買って米国人を雇え。これがわれわれのスローガンだ」と呼び掛けた。

 トランプ大統領は、米国企業が生産拠点を国外に移転することを阻止し、貿易で「不正行為」を働いている国を追及するとした公約に改めて言及。歓声を上げる聴衆に「われわれが欲しいのは、米国人の手によって米国で作られた製品だ」と述べた。

 さらにトランプ氏は「わが国の中で製造することがもっと簡単でなければならないし、国外へ出ていくことをもっと難しくしなければならない。企業にはわが国から出て行ってほしくない」「そんなことは二度と起こさせない。信じてほしい。もしも企業が従業員を解雇し、他の国へ行くというならば、非常に重いペナルティーが科されるだろう」と述べた。

 また、法人税を削減する公約についても、改めて「雇用に打撃を与える規制を大幅に緩和する」意向を明らかにした。

 ボーイングは米南部に位置する同州で7500人の従業員を雇用しており、787ドリームライナーを製造しているこのボーイング・サウスカロライナ工場にはうち2828人が勤務している。同工場の従業員に対し、国際機械整備士・航空宇宙産業労働組合(IAMAW)は労組結成を打診していたが、今月14日、全従業員の74%に上る圧倒的多数が反対票を投じてこの提案を却下した。

 米南部では昔から労組結成に反対する風潮が根強く、欧州や日本の自動車メーカーが工場を進出させる要因となっている。(c)AFP