【2月17日 AFP】英BBCは16日、サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)でファン同士の乱闘騒ぎをレポートしたドキュメンタリー番組を放送した。その中で、ロシアのフーリガンたちは来年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)は、「暴力の祭典」になると警告した。

 国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が、カタールで開かれていた理事会で、2018年のW杯では暴動の心配はないと語った数時間後、BBCでは「ロシアのフーリガン集団(Russia's Hooligan Army)」と題された番組が放送された。

 その中で、W杯を開催するロストフ・アリーナ(Rostov Arena)の近くでインタビューに応じたフーリガンの一人は、サポーター同士の衝突が起きると予測し、「あるファンにとってはサッカーの祭典であり、あるやつらにとっては暴力の祭典になる」と語った。

「活動に関わるやつらは全員、ロシアでW杯が行われることを楽しみにしている。お楽しみのために旅行する必要はない。おれたちの敵は当然イングランド人だ。なぜなら、彼らはフーリガンのご先祖様だからね」

 同番組では、ロシア・プレミアリーグのロコモティフ・モスクワ(Lokomotiv Moscow)の過激なサポーターとして知られ、フランスで開催された昨年の欧州選手権で暴動を引き起こしたグループのメンバーも登場。そのリーダーの一人は、ロシア当局が取り締まりに乗り出すだろうと予想し、「あいつらはリーダー全員を捕まえにくる。組織的な企てが可能な人物を全員を狙って拘束するだろう」と語った。

 フーリガン対策が厳しくなるとみられる中、メンバーは、ロシア人ファンの一部がイングランド人サポーターの対抗組織を作るのは「100パーセント確実だ」としている。

 昨年の欧州選手権では、開催地の仏マルセイユ(Marseilles)でロシア人サポーターがイングランドのファンと町中で衝突し、国外退去となった。番組の中でこの暴動を喜んでいたロシア人フーリガンの一人は、「俺たちの仲間は、特殊部隊よりも危険な存在だ」と豪語していた。

 インファンティーノ会長は同日、理事会が開かれたカタールで、ロシア大会の開催能力を信頼しているとして、「2018年にはトラブルも暴動も心配していない」と述べると、ロシアは「サッカーを盛り上げようと歓迎ムードだ」と付け加えた。(c)AFP