■中国協会の方針も影響か

 オーナーの発言は、各クラブの「常軌を逸した」資金投下に対し、中国サッカー協会(CFA)が規制を強める方針を打ち出したことを受けたものと思われる。

 中国のクラブは、2017年に入ってからもブラジル代表のオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)や、世界最高額とされる年俸で元アルゼンチン代表のカルロス・テベス(Carlos Tevez)を獲得し、この1年で5回もアジアの移籍金最高額を塗り替えた。

 そのなかでCFAは、リーグ戦で同時に出場させられるアジア域外の選手の数を、4人から3人へ減らすことを発表。移籍金や年俸額に上限を設ける案のほか、14日の国内報道では、23歳以下の中国人選手を少なくとも1人出場させない場合、0-3の没収試合になる案の導入も検討していると伝えられた。

 2016年、スーパーリーグは前年の倍となる4億5100万ドル(約516億円)を選手獲得に投じ、使用した移籍金の総額で世界5位にランクインした。年初には江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)が5000万ユーロ(約57億円)でアレックス・テシェーラ(Alex Teixeira)を獲得。夏にはブラジル代表のフッキ(Hulk)が5500万ユーロ(約63億円)で上海上港(Shanghai SIPG)に加入した。

 今年に入ってからも、上海が移籍金6300万ドル(約74億円)でオスカルを獲得し、また上海申花(Shanghai Shenhua)に加入したテベスの年俸は、世界最高額の3800万ユーロ(約46億円)とも言われている。

 こうしたいわゆる「爆買い」が世界中から注目される中で、国内のファンは、中国選手の育成にもっとお金を使ってほしいと訴えていた。代表チームのFIFAランキングは86位で、13億人の人口を誇る国が人口260万人のカタールよりも下位に甘んじている。(c)AFP/Ben Dooley