【2月15日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の強豪で、昨季のリーグ王者でもある広州恒大(Guangzhou Evergrande)が14日、2020年までに所属選手を中国人だけで固めると発表し、資金力にものをいわせて海外スターを集めた近年の強化方針を180度転換する意向を明らかにした。

 近年の広州は、主に南米出身選手の個の力と、一流国から招へいした指導者の采配を武器に、スーパーリーグ6連覇、さらに2013年と2015年のAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League)制覇という実績を残してきた。そのスタイルは「アジアのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)」とも呼ばれることもあり、2016年には、広州に倣えと多くの中国クラブが海外選手へ莫大な資金を投入する状況を生み出した。

 国営新華社(Xinhua)通信によれば、クラブオーナーを務める不動産王の許家印(Xu Jiayin)氏は、2010年代が終わるまでに外国籍選手をすべて放出する計画を持っているという。報道によると、シーズン開幕に向けたイベントの席上で許家印オーナーは「世界最高の指揮官の下で、選手はすべて国内選手で固めるという構成がクラブの理想形になる。われわれの目的は中国サッカーの発展であり、すべてはそこに向けて進めるべきだと考えている」と語ったとされている。

 広州恒大は、不動産大手の恒大集団(Evergrande Group)と、電子商取引(EC)で国内最大手のアリババ(阿里巴巴、Alibaba)が共同保有するクラブで、許家印オーナーは、今までよりも健全な経営にかじを切ることを示唆している。

「クラブの収入源は入場料だが、支出に見合った収入が得られているとはいえず、われわれはビジネスとしてクラブを経営していかねばならない。移籍によって利益を上げ、同時に若い選手を練習で鍛えてチームを構築する。選手を買うのではなくね。そうしたことを進めていかなくてはなりません」

 広州恒大には現在、コロンビア代表のジャクソン・マルティネス(Jackson Martinez)、ブラジル出身のリカルド・グラール(Ricardo Goulart)、アラン(Alan Douglas Borges de Carvalho)、パウリーニョ(Jose Paulo Bezerra Maciel Junior 'Paulinho')の3選手、そして韓国代表の金英権(Kim Young-Gwon、キム・ヨングォン)と5人の外国籍選手が所属している。

 指揮官はブラジル代表やポルトガル代表を率いたルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督で、1回目のACL戴冠を果たした2013年当時の指揮官は、イタリア代表をW杯制覇に導いたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督だった。