【2月15日 AFP】女性がサッカースタジアムを訪れることが禁止されているイランで、女性8人が男装して入場しようとしたものの、警備員に見つかって入場できなかったことが明らかになった。同国ではスタジアム内で下品な言葉を浴びせられるのを避けるためという理由で、女性のスポーツスタジアムへの入場を禁じている。

 国内タスニム(Tasnim)通信は14日、「8人の女性がテヘラン(Tehran)南西部のアザディ・スタジアム(Azadi stadium)に変装して入ろうとしたが、警備員に見つかって入場を断られた」と伝えた。

 女性たちが入場を試みた試合は、エステグラル・テヘランFC(Esteghlal Tehran FC)とペルセポリスFC(Persepolis FC)のダービーで、同カードは国内で最も歴史が深く、人気の高い2チームの試合だった。試合は3-2でエステグラルが勝利している。

 イランでは1979年のイスラム革命以後、女性のスポーツスタジアムへの入場を禁じている。この問題は、2006年に国外の映画賞も受賞したジャファル・パナーヒー(Jafar Panahi)監督の作品「オフサイド・ガールズ(Offside)」でも取り上げられており、作中では女の子たちが男の子に変装してスタジアムへ忍び込み、W杯予選のバーレーン戦を生で観戦しようと奮闘する様子が描かれている。

 中道派のハサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は、一部の大会で制限を緩和することを望んでおり、すでにバスケットボールやバレーボールの大会では、専用区画を設けた上で、女性のスタジアムへの入場を認めている。

 イラン内務省の官僚は「スタジアムへ入ろうとする者は過去にもいた」と話し、女性がスタジアムへ忍び込もうとするのは珍しいことではないとしながらも、「混み合った状況は女性にとって不適切である」との理由で入場禁止を続けていると述べた。(c)AFP