【2月13日 AFP】イエメン政府軍とイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」による内戦で父親を失ったムスタファ君(15)は、生き延びるために物乞いをするようになった。

 フーシ派が掌握する首都サヌア(Sanaa)の方々の交差点では毎日、大勢の子どもたちが自分ときょうだいが食べていくために物乞いをしている。ムスタファ君はその一人にすぎない。2015年に激化した内戦で片親か両親を失った子どももいれば、内戦により給料が支払われなくなった公務員の親を助けようとしている子どももいる。

 ムスタファ君は2年前、北部ハラド(Haradh)で父親を亡くした。その後、母親と3人の兄弟と共に首都に移った。「仕事を見つけようとしたけど、見つからなかった。食べられる物も見つからなくて、サヌアの通りで物乞いをしてきた」。1日に得られる金額はわずか5ドル(約560円)だ。近くでは8歳のアベールちゃんが弟のアブドゥラフマン君を連れて、車から車へと金を無心して回っていた。

 モスクや飲食店の前には、やせ細り、青白い顔をした子どもの物乞いたちが集まって施しを求めている。交差点では、ぼろ切れとせっけん水を詰めたペットボトルを手にした幼い少年たちが、車の窓ふきで生計を立てようと必死になっている。箱入りティッシュを売る母親のかたわらに座る子どもたちもいる。

 イエメン内戦は2015年3月、政府側を支援するサウジアラビア主導の連合軍が軍事介入したことで激化。それ以来、多大な人的犠牲を出しており、国連(UN)によると子ども約1400人を含む7400人以上が死亡した。加えて300万人のイエメン人が内戦で住む場所を失い、数百万人が食糧支援を必要としている。