【2月12日 AFP】陸上男子短距離のネスタ・カーター(Nesta Carter、ジャマイカ)は11日、ドーピングの陽性反応に異議を申し立てる中で競技復帰を果たし、8月に行われる第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)を目指すと語った。

 2013年の第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)で個人としては100メートルの銅メダルを獲得したカーターは、2008年以降のタイトルを独占してきた母国の男子リレーチームに必要不可欠なメンバーだった。

 しかし、2008年の北京五輪で採取された検体の再検査で禁止薬物のメチルヘキサンアミン(methylhexaneamine)の陽性反応が検出されたため、先月にはスーパースターのウサイン・ボルト(Usain Bolt)らが同五輪での4×100メートルリレーの金メダルを剥奪された。

 ジャマイカのモンテゴベイ(Montego Bay)で開催された競技会で4×100メートルリレーに出場したカーターは、自身のドーピングの件には触れず、17か月ぶりに競技復帰できたことは「ありがたく思う」とコメントした。

 2015年9月以来のレースに出たカーターは、「そう、今年は世界陸上があるけれど、そこに行き着くまでには数大会ある。1大会ずつこなしていく」語った。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)にドーピングによる出場停止処分の異議を申し立てたと考えられているカーターは、大会アナウンサーに名前を読み上げられると、目の肥えた観衆から大きな声援を受け、復帰を歓迎された。

「母国のファンの前で走ることができるのはいつだって素晴らしい。ファンのために良い走りをみせようと頑張るんだ」

 カーターは、左足の親指などの負傷と闘っていたという。

「特に左の親指なんだけれど、小さなけがを治しながらで、しっかりとした練習を積むことができていなかった。でも、トラックに戻ることができてただただうれしいよ」 (c)AFP