【2月15日 AFP】ポルトガルのサッカー4部リーグに、「悪党」や「殺りく者」の烙印(らくいん)を押されながら、リーグ首位をひた走るアマチュアチームがある。対戦相手がプレーすることを恐れるため、チームは不戦勝を積み上げている。

 そのチームとは、ポルト(Porto)市郊外に本拠地を置くカネラス2010(CF Canelas 2010)。チームには、国内の強豪FCポルト(FC Porto)の悪名高いウルトラス(過激なサポーター集団)、「スーペル・ドラゴンズ(Super Dragons)」のメンバーが3人所属している。「大猿」のあだ名を持つチームの主将もその一人だ。

 カネラスの悪名が知れ渡るきっかけとなったのは、ユーチューブ(YouTube)に投稿された1本の動画だった。100万ビューを記録したその動画を見ると、白と青のユニホームに身を包んだ選手たちが、相手選手の顔や胸に蹴りを入たり、ボールのないところで小突いたり、後ろから危険なタックルを浴びせたりしており、総合格闘技の見本市の様相を呈している。

 彼らはそうやって相手選手、さらには審判までも脅迫するという。そのやり方に他チームは怒りを募らせているが、正式に苦情を申し出たクラブは今のところ一つもない。そしてどのチームも、罰金750ユーロ(約9万円)を支払って、直に顔を合わせることを避ける。

 ライバルチームであるグリージョ(AD Grijo)の会長は、「カネラスはルール無用の悪党の集まりだ。殺りく者だよ。われわれの選手はビビッてしまっている」と話すが、そのやり方はここまで奏功している。1月末の時点でチームは19勝を挙げたが、そのうち13試合が不戦勝。チームは2位に勝ち点14差をつけて首位を快走している。仮にカネラスがリーグ優勝を果たすと、3部リーグ昇格へのチャンスが手に入るプレーオフに出場できる。

 シーズン序盤で洗礼を受けたパドロエンセ(Padroense FC)は、2回目の対戦ではピッチに姿を見せなかった。クラブの会長は、「カネラスの選手はけんかを吹っかけてくるんだ。そして対戦相手はもちろん、審判までも脅そうとする」と話している。