【2月12日 AFP】2018年に開催されるサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に向けて、完成に10年を要したサンクトペテルブルク(St Petersburg)のスタジアムで11日、はじめて観客を入れたテストが行われた。

 サンクトペテルブルクのクレストロフスキー・スタジアム(Krestovsky Stadium)は、宇宙船をイメージした近未来風のスタジアムで、収容人数は6万8000人。W杯では準決勝の1試合や3位決定戦が行われる予定となっている。

 この日はスタジアムに約1万人のボランティアが入り、音響や照明のシステムチェックを行ったほか、モーターショーも観戦した。20歳の男性は、「最高のイベントだったよ。新しいスタジアムを自分の目で見られたのはすごく面白かった」と語った。

 スタジアムでは、今年6月のコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2017)でも決勝を含む4試合が行われる予定で、普段はロシア・プレミアリーグのFCゼニト(FC Zenit)の本拠地としても使われる。

 クレストロフスキー・スタジアムは、2007年に着工したものの、建設費の高騰や度重なる遅れを経て、2016年12月にようやく完成した。27歳の男性は、「何よりも、いったいどんなものにこれだけのお金が使われたのかが気になり、見に来てみたんだ」と話している。

 スタジアムでは、昨年行われた国際サッカー連盟(FIFA)の査察で、格納式のピッチに深刻な問題が見つかり、足元が不安定でプレーできる状態にないという指摘がなされているが、建設業者は、数週間以内に問題を完全に解決できると自信を見せている。

 建設会社のチーフエンジニアは、「スタジアムの強度を高める手法を試しています。現時点で、その作業の約86パーセントは終わっています。あと15~20日ほどですべて完了するでしょう」と話した。(c)AFP