【2月10日 AFP】第67回ベルリン国際映画祭(Berlin International Film Festival)が9日、ドイツの首都ベルリン(Berlin)で開幕した。オープニングではナチス・ドイツ(Nazi)の迫害を受けたロマ人の伝説的ジャズギタリストを描いた作品が上映され、また審査員からドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領への「抵抗」という言葉が飛び出すなど、政治色が鮮明な同映画祭らしい幕開けとなった。

 最高賞の「金熊賞(Golden Bear)」を競うコンペティション部門には18作品が出品されており、受賞作品は18日に発表される。

 審査委員長は『ロボコップ(RoboCop)』や『エル(Elle)』を手掛けたポール・ヴァーホーヴェン(Paul Verhoeven)監督。記者団に対し「さまざまな、願わくば議論を呼ぶ多くの作品が上映されることを期待している」と述べ、審査員と「激しい議論」を交わしたいと付け加えた。

 ベルリン国際映画祭は、時事問題が取り上げられることで知られる。今回も、入国禁止令などで芸術界から厳しい批判を浴びているトランプ大統領に対し、複数の審査員が非難の声を上げた。

 審査員の一人、米女優マギー・ギレンホール(Maggie Gyllenhaal)は、「私の国には(トランプ大統領に)抵抗する用意がある人が大勢いることを人々に知ってほしい」と記者団に話した。また、同じく審査員を務めるメキシコ人監督・俳優のディエゴ・ルナ(Diego Luna)は「ここ(ベルリン)には、壁を壊す方法を調べに来たんだ」と皮肉げに語った。

 欧州の主要な映画祭としては今年最初となるベルリン国際映画祭では、11日間の期間中、70か国の約400作品が上映される。(c)AFP/Deborah COLE