■理想は「バービー」

 カナダ産科婦人科学会(SOGC)のドロシー・ショー(Dorothy Shaw)元会長は、「標準形」が求められていることについて、「大いに憂慮している」と述べた。

 理想とされる外陰部は、少女のそれに似ている。

 ショー氏は「陰毛がなく非常につるりとしており、割れ目らしきものが見えるだけ」と説明し、実際には「大多数が少女のように見えるというわけではない。大多数がそうは見えないのだ」と強調した。

 突出している小陰唇が擦れて不快感に悩まされる女性がいるのは事実だが、それを手術の口実にする人が多いと、専門家らは見ている。

 婦人科医で形成外科医のニコラ・ベレニ(Nicolas Berreni)氏は、フランスのパリ(Paris)で開催された世界規模の美容学会「IMCAS」に出席した際AFPに対し、「われわれの理解では、痛みの緩和を理由に陰唇形成手術を希望する約4割の症例で…女性はうそをついている」と明かした。

「彼女たちが本当に欲しいのは『バービー(Berbie)』の見た目。バービー人形の小陰唇は見えない」

■術後の慢性痛も

 単に個人の好みの問題では済まない。健康リスクも伴う。

 ショー氏は既に定年退職しているが、ラビアプラスティーやその他の美容整形手術を受けた後に「外陰部が慢性的に痛むという女性を診ている同僚もいる」としている。

 ショー氏はとりわけ、10代の少女らが身体発育が完了する前にラビアプラスティーを受けることに警鐘を鳴らしている。(c)AFP/Mariëtte Le Roux