【2月8日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のメラニア(Melania Trump)夫人は6日、英紙デーリー・メール(Daily Mail)電子版に掲載された記事によって大統領と結婚するビジネスウーマンとして得られるはずだった「一生に一度の」収益の機会が失われたとして、デーリー・メール側に1億5000万ドル(約160億円)の損害賠償を求める訴えを起こした。

 元モデルのメラニア夫人が問題としているのは、自身が1990年代に「(性的サービスに携わる)エスコート」として働いていたとする記事。訴状でメラニア夫人は「極めて著名な人物であることに加え、プロフェッショナルのモデル、商業ブランドの広告塔、さらには成功を収めたビジネスウーマン」として収益を得られる「類いまれな、一生に一度の機会」を失ったと主張している。

 これに関連してメラニア夫人は昨年9月、ブロガーのウェブスター・G・タープリー(Webster G. Tarpley)氏を訴える別の訴訟も起こしており、夫人の弁護団は7日、タープリー氏との間に「かなりの金額」での和解が成立したとの声明を発表した。

 弁護士が公表した声明の中でタープリー氏は、2016年8月2日に公開したメラニア夫人についてのブログ記事にはメラニア夫人の名誉を傷つける虚偽の記述が多数あったと認めた。

 今回の提訴はタープリー氏への訴えと同様に当初メリーランド(Maryland)州の裁判所に起こされたが、裁判所は地理的に管轄権がないとの理由で却下。メラニア夫人側は改めてデーリー・メール電子版を運営するメール・メディア(Mail Media)を相手取りニューヨーク(New York)州の裁判所に提訴した。

 デーリー・メールは問題となった昨年8月20日付の記事を撤回し、同記事はメラニア夫人が性的サービスに関わっていたという主張が真実だと伝えるものでも、そう示唆するものでもないという声明を発表した。(c)AFP/Sébastien BLANC