【2月8日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)がロシア陸上競技連盟(ARAF)の資格停止処分継続を発表する中、同国のビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相は7日、国内の陸上コーチが「ドーピング無しでどうやって指導するかを分かっていない」と語った。

 五輪種目での数年に及ぶ国家ぐるみのドーピングが横行していた疑惑が指摘され、2015年11月から国際大会への出場を禁じられているロシアの選手は、リオデジャネイロ五輪に続いて今夏の第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)にも出場不可となった。

 ロシア側は国家ぐるみのドーピングを否定しているが、スポーツ界に世界的な論争を巻き起こす中でスポーツ相から副首相に格上げとなったムトコ氏は、国内のコーチたちを批判した。

 ロシアの通信社Rスポーツ(R-Sport)に対してムトコ副首相は、ARAFが「多くの(ドーピング)違反をしてきた」とコメントした。

「選手は規則を破り、多くのコーチはドーピング無しでどうやって指導するかを分かっていない。彼らは身を引くときだ」

 IAAF側は、「一部のロシア関係者が好ましくない公のコメントを出した」と、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に近い、歯に衣着せぬ物言いのムトコ副首相について言及したともとれるコメントもあり、ドーピング問題解決へ向けて前途多難となっている。

 ムトコ副首相はまた、薬物の不正使用は国際的な問題であると考えているロシアは、ドーピングを一掃したと続けた。

「この数年でわれわれは途方もない数の仕事をこなした。彼ら(IAAF)はわれわれに対し、『素晴らしい仕事をやってきているが、(ロシアのドーピングを止めるには)まだすべきことが多く残っている』と言ってきた。しかし、明確な基準や、明確な規則がなければそういったことは起こってしまうものだ」 (c)AFP