【2月8日 AFP】南シナ海(South China Sea)問題をめぐってドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権が強硬姿勢を鮮明にする中、中国の王毅(Wang Yi)外相は7日、両国が衝突すれば「双方が敗者になる」と述べ、米側をたしなめてみせた。

 南シナ海に関しては中国がほぼ全域の主権を主張しているが、ショーン・スパイサー(Sean Spicer)大統領報道官は先月「国益を確実に守っていく」と言明した。さらにレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官も、中国による人工島への接近は阻止されるかもしれないと指摘し、軍事的なにらみ合いに発展する可能性を示唆した。

 こうした中、王外相は訪問先のオーストラリアで、戦争になれば誰も得をしないとの見方を示した。

 豪ABCによると、王外相は首都キャンベラ(Canberra)で通訳を介し「自制心のある政治家であれば、中国と米国の衝突などあり得ないと明確に認識しているはずだ」と発言。「(衝突になれば)共に負けることになるが、双方ともそんな余裕などない」と語った。(c)AFP