【2月7日 AFP】警察官が警棒を用いて黒人男性(22)に性的暴行を働いたとして逮捕された事件を受け、仏パリ(Paris)郊外で6日、警察による暴行を非難する数百人規模の街頭デモが行われた。

「テオ」という名のみが公表されている被害男性は2日夜、パリ郊外のオルネー・スー・ボア(Aulnay-sous-Bois)で警官らに取り押さえられ、激しい暴行を受けた。病院に搬送されたテオさんは、手術が必要なほど肛門に激しい傷を負っていたという。

 この事件を受け5日、警官1人が性的暴行の罪で、他3人の警官も暴行の罪で起訴された。警官らは容疑を否認し、麻薬密売人の見張りらを取り締まっていたと供述している。

 仏テレビBFMの取材に応じたテオさんによると、暴行を受けた際、警官らに壁の前に立つよう命じられたという。テオさんは病院で肛門の手術の他、頭部と顔に負った傷の治療も受けており、医師によると仕事に復帰するまでに2か月はかかるという。

 暴行現場に近い「3000」と呼ばれる団地では先週末の2日間にわたって夜、小規模の衝突や車両3台への放火が発生した。当局によると数人を拘束、警官を増員し、ヘリコプターを配備したという。

 フランスの都市の貧しい郊外では、警察の行き過ぎた取り締まりに関する問題が度々再燃する。昨年は黒人男性が警察による拘束中に死亡し、大きな議論が巻き起こった。また10年ほど前には警察への抗議をきっかけとした大規模な暴動も起きている。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT