【2月7日 AFP】アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相と一緒に写った写真が繰り返し悪用され、イスラム過激派による襲撃事件に関与していると仕立て上げられたドイツに滞在するシリア難民の男性が、中傷的な虚偽のニュースを拡散したとしてフェイスブック(Facebook)を訴えた裁判が6日始まった。

 裁判を起こしたアナス・モダマニ(Anas Modamani)さん(19)は、昨年ベルギーのブリュッセル(Brussels)やドイツのベルリン(Berlin)で起きたイスラム過激派による襲撃事件などに自らが関与しているかのように改ざんされた写真や情報をフェイスブックが削除しなかったと訴えている。

 モダマニさんは南部バイエルン(Bavaria)州ビュルツブルク(Wuerzburg)の裁判所に提訴。フェイスブックの欧州子会社フェイスブック・アイルランド(Facebook Ireland)に対してテロリズムや犯罪に自身を関連付けるすべての投稿の削除を命じるよう求めている。

 虚偽の投稿の中には、昨年12月25日にベルリンでホームレスの男性に火をつけようとし、市民から激しい怒りを買った若者グループにモダマニさんが加わっていたとするものもある。

 モダマニさんの弁護士は初公判後に記者団に対し「扇動行為と名誉棄損を終わらせたい」と述べた。

 モダマニさんは2015年に多くのシリア人難民と共にドイツに入国。同年9月、メルケル首相がベルリンの難民収容施設を訪れた際、首相と共に自撮り写真を2枚撮影した。その喜びに満ちた様子は、通信社のカメラマンにも撮影されていた。(c)AFP/Carsten HAUPTMEIER