【2月7日 AFP】(写真追加)国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は7日、シリアの首都ダマスカス(Damascus)近郊の刑務所で2011年からの5年間に最大1万3000人の絞首刑が執行されたとする報告書を公表した。「絶滅政策」を行っているとしてシリア政府を強く非難している。

「人間の大虐殺現場:サイドナヤ刑務所における大量絞首刑と絶滅(Human Slaughterhouse: Mass hanging and extermination at Saydnaya prison)」と題したこの報告書は、看守や収監者、判事ら計84人の目撃者の証言を基に作成したもの。

 それによると同刑務所では2011~15年、1週間に最低1回は最大50人のグループが監房から連れ出され、恣意(しい)的な裁判にかけられて暴行を受けた末、「真夜中、秘密裏に」絞首刑に処された。

 報告書は「(裁判から処刑までの)一連のプロセスを通じて、収監者はずっと目隠しをされる。首に縄がくくり付けられるまで、自分が死ぬ時期やその方法について分からない」とも言及している。

 犠牲者の大半は、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権に反対していたとみられる民間人だったという。

 アムネスティは、こうした絞首刑の執行は戦争犯罪と人道に対する罪に当たると指弾。シリア政府は拘束した人を繰り返し虐待し、食料や水、医療を与えないことで「絶滅政策」を遂行していると非難した。

 さらに、処刑は現在も続いている可能性があるとの見方も示している。

 ダマスカスの北30キロに位置するサイドナヤ刑務所は軍が運営し、国内で最大規模の拘束施設。アムネスティは先に、シリアで2011年3月の内戦開始以降に政府の拘束中に死亡した人の数について、国内全土で1万7700人余りとの見積もりを示していた。刑務所1カ所で1万3000人が死亡したというのは全体の死者が大幅に増えていることを意味する。(c)AFP