【2月4日 AFP】米民主党議員50人が3日、公式な外交経験が無いスティーブ・バノン(Steve Bannon)首席戦略官・上級顧問(63)を国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーに加えたことについて説明を求める書面をドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に送った。

 書面提出に先立つ今月1日、民主党はバノン氏をNSCの中心となる閣僚級委員会(Principals Committee)から排除し、情報機関を統括する国家情報長官(DNI)と米軍制服組トップの統合参謀本部議長(Joint Chiefs of Staff)を常任に戻すことを目的とした法案を上院と下院にそれぞれ提出していた。

 トランプ大統領は先月28日、バノン氏を閣僚級委員会の常任に引き上げる一方、統合参謀本部議長と国家情報長官を「各々の責任と経験に関連する議論」にのみ出席する非常任に格下げすることを命じる「大統領覚書」に署名していた。

 民主党議員らはトランプ政権に対し、バノン氏を閣僚級委員会の常任メンバーとしたことでNSCに「政治を持ち込んだ」として、この決定について「連邦議会に書面で説明」することも求めた。

 反主流派運動「オルト・ライト」(オルタナ右翼)の聖域と評される保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース(Breitbart News)」を率いていたバノン氏は、政界の慣行を否定する扇動者と目されており、自分自身のイデオロギー的課題の実現に向けてトランプ氏を誘導する力があるとみなされている。(c)AFP