【2月3日 AFP】遺伝物質から作られた革新的なワクチンが、動物実験でジカウイルスへの予防効果を示したとの研究結果が2日、発表された。人類への脅威との闘いで「有望な」糸口となるワクチンだという。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された研究論文によると、このワクチンを1回、少量接種したマウスは、その5か月後にジカウイルスにさらされても感染しなかったという。

 ワクチン接種5週間後にジカウイルスにさらされたサルも、ウイルスには感染しなかった。

 論文の主執筆者で、米ペンシルベニア大学医学大学院(University of Pennsylvania School of Medicine)のドリュー・ワイスマン(Drew Weissman)教授は「迅速で長期間持続し、有害事象を伴わない感染防御免疫が観察された」と話す。「この候補ワクチンは、ジカウイルスとの世界規模の闘いのための有望な戦略を示すものだ」

 現在、数種類のジカウイルスのワクチンの開発が進行中で、2~3種類が臨床試験の初期段階にある。

 大半のワクチンは、標的となるウイルスを弱毒化したものや、不活性化したものから作られ、本来の威力を持つ生きたウイルスを防ぐ抗体の増加を誘発することを目的としている。

 だが、今回の最新ワクチンは、「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ばれる遺伝物質を改変したものを基にしている。