【1月31日 AFP】原油価格低迷による財政悪化を受け、サウジアラビア政府は30日、付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)の導入を承認した。

 国営サウジ通信(SPA)は、湾岸協力会議(GCC)加盟6か国に付加価値税を導入する取り決めを承認することをサウジ政府が決定し、同税の導入にあたって国王令発布の準備が進められていると伝えた。

 同税の導入は、原油価格低迷による成長鈍化への対応策として、湾岸諸国に消費税や付加価値税導入などの財源確保を求めた国際通貨基金(IMF)の提言に沿ったもの。

 昨年6月のGCCの取り決めにより特定の商品に5%の付加価値税が課される。すでにGCC加盟各国は今年からたばこ、ソフトドリンク、エナジードリンクに課税する決定をしている。

 世界最大の産油国でアラブ世界最大の経済大国でもあるサウジアラビアでは長い間、所得税や消費税に相当する税制が存在せず、国民には政府から手厚い補助金も支給されていた。

 しかし同国は2014年以降の原油下落を受け昨年は970億ドル(約11兆円)の財政赤字を記録。燃料費や公共料金への補助金削減や、大型建設プロジェクトの凍結、閣僚の報酬削減、公務員の昇給見送りなどの対策が取られていた。(c)AFP