【1月31日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と同様に、「偉大な人物」のような態度で振る舞うと、元スコットランド代表のジム・テルファー(Jim Telfer)氏が言い放った。

 ラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2017)の開幕を週末に控える中、テルファー氏は30日に英BBCに対して、ジョーンズHCの取り組み方について自身の見解を述べた。

「エディー・ジョーンズは相手を倒そうと思っていない。相手を破壊したいと思っている。私にはそれが少々残念だ」

「彼はチーム全体をセットプレーの上に成り立たせていると私は思う。攻撃の強化は二の次だ。オーストラリアや日本を指揮してきているから、逆だと思うだろうが」

 ファイブネーションズ時代の1999年大会でスコットランド代表を優勝に導いたテルファー氏はまた、「彼の話し方は、ドナルド・トランプに少し似ている。偉大な人物になりたがっている。当たり前のことだがね」と続けた。

「彼の目標は2019年のラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)制覇で、現在のところまでは順調だ。とはいえ、もう少し慎重になれるだろうし、対戦相手にもう少し敬意を払えると思う」

「大した敬意も払っていないようだから、しっぺ返しを食らうこともあるだろう」

 W杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で決勝トーナメント進出を逃した後の代表チームで指揮を執り、テストマッチ13戦全勝を挙げているジョーンズHCは、トランプ大統領との比較に立腹することはないだろう。

 ジョーンズHCはすでに自らの手法を、トランプ氏が大統領選で展開した戦略になぞらえており、ともに明確なメッセージを力説することに重きを置いていると語った。

 28日付の英紙デーリー・メール(Daily Mail)でジョーンズHCは、「より『イングリッシュ』になるべきだというのが私の展望だ。だから私はさまざまな形でメッセージを送り続けている」と語った。

 自身の手法がトランプ大統領に酷似しているのではないかと問われた指揮官は、「そうだ、トランプと似ている。トランプのやり方はクレバーだ。それを否定することはない」と応じた。

「『米国を再び偉大に(Make America Great Again)』というスローガンを彼は何度も何度も繰り返した。米国人はそのメッセージに胸を高鳴らせた」

「テレビに映った人々は『彼が米国を再び偉大にできると思う』と口にする。彼ができるという証拠もないのにだ。それでも彼は人々を納得させた。物の見方を変化させた。そうやって勝ったんだ」

 昨季のシックスネーションズで全勝優勝(グランドスラム)を飾り、連覇を目指すイングランドは、来月4日の開幕戦でホームにフランスを迎え撃つ。(c)AFP/Julian GUYER