【1月30日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)、男子シングルスで準優勝を飾ったラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が29日の試合後、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とのフルセットの死闘から刺激を受けたと語った。

 フェデラーと同じく昨季は故障に泣いたナダルだが、今大会では全豪通算6勝を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の敗退にも後押しを受けると、周囲の予想に反して決勝に進出。四大大会(グランドスラム)通算14勝を誇る元王者は試合後、頭の中にあるのは悲しみではなく、自身を最高な状態に戻すために練習するモチベーションだと明かした。

 最後はチャレンジが失敗し、3時間37分の激闘の末に惜敗したナダルは、「きょうはスポーツを楽しむことができた。去年はインディアンウェルズ(Indian Wells)からマイアミ(Miami)までの期間しか楽しめなかった。マドリード(Madrid)の準々決勝でけがをしてしまったからね」と語った。

「それが正直な感情…、タイトルよりもね。間違いなく今後も自分は優勝すると信じている」

 また、今週発表の世界ランキングで9位から6位に上昇することが決定したナダルは、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、ガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)を倒しての勝ち上がりに勇気づけられたという。

 21度目の四大大会決勝でプレーしたナダルは、「大きな満足感がある。悲しいとは言えない。勝利したかったかといえばイエスだ。でも特別悲しくはない」とすると、「できることはすべてやった。ここ数か月はたくさん練習してきた。世界でベストの選手たちに勝利できたし、誰に対しても良い勝負ができた。それが最も重要なことだし、プレーし続ける自信になる」と振り返った。

 さらに、自身15度目となるグランドスラム優勝を逃したナダルだが、タイトル獲得以外に重要なものがあるという。

「結局のところ、これも一つのタイトル。そこには勝者が1人、そして敗者が1人存在する。こうした試合では誰にでも勝つ可能性があるんだ」

「このような試合で僕は彼に何度も勝利してきた。きょうは彼が勝った。ただ祝福するだけさ」

「仮に自分が望む終わり方ではなかったとしても、僕にとっては重要な2週間になった。僕に唯一できることは彼を祝福し、前向きな気持ちを持って家に戻ることだ」 (c)AFP/Robert SMITH