【1月30日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、鶏のように騒がしく、ふんぞり返りながら、酉(とり)年の2017年を駆け抜けるだろう──春節(Lunar New Year、旧正月)を迎え、香港(Hong Kong)の風水師たちが今年を占った。

 おんどりのように「毛を逆立てて」興奮しやすいトランプ氏が世界のトップに立てば、今年の十干(じっかん)の火と合わさって、欧米を中心に前途多難な1年が予想されるという。香港の風水師、ティエリー・チョウ(Thierry Chow)氏は「おんどりはけんかを売ったり口論したりするのが好きで、闘争本能が強い生き物だ」とAFPに述べた。

 しかも今年はただの酉年ではなく、五行(木性/火性/土性/金性/水性)の中の火の性質をもった「丁酉(ひのととり)」だという。

 トランプ氏の大統領就任式の前後には米国各地で大規模な抗議運動が起きた。対外政策でも中国をすでにいらつかせており、世界の二大経済大国が貿易戦争に突入するのではないかとの懸念を生んでいる。

 トランプ氏は特に就任1年目の今年、各方面で事を荒立てて反発を招くと、チョウ氏は予想する。「たくさんの抗議運動や、暴動さえ起きるだろう」

 トランプ氏は十二支の戌(いぬ)年の生まれだが、取り巻きに囲まれていることと、四柱推命の「八字」(はちじ)によると土のエネルギーをもっているために、威張り散らす傾向があるともいう。

 著名な風水師の楊天命(Alion Yeo)氏は、酉年は金属が主要属性であるため、金や株の運気とともに米経済が上向くだろうと予測する。「トランプ氏の『八字』は、彼が裕福になることを示している。2017年の米相場は活況を呈すだろう」

 楊氏は一方で、トランプ氏の運は一時的なもので、その後は同氏にとって不利になるという。「彼にとって2017年はいい年になるだろうが、(戌年の)2018年は異なるだろう」

 楊氏によれば、世界は今年、激動に見舞われた2016年を越える混迷の年となり「どうにか立ち上がって、周りにある草を食べるぐらいしかできない病んだ牛」のような状態になるという。同氏は特に欧州が痛手を被ると予想した。

 チョウ氏も「ブレグジット(Brexit、英国のEU離脱)」と難民危機が今年、欧州にさらなる混乱をもたらすだろうと予測する。「事態が落ち着くとは言えない。激しい議論がぶつかり合う年になるだろう」(c)AFP