【1月27日 AFP】四大大会(グランドスラム)通算18回目の優勝に王手をかけたロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)。全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)で見せる復活の要因は、故障が原因で余儀なくされた半年の休養期間だと明かした。

 35歳のベテランは今、誰もが予期しなかった29日の決勝まで勝ち進み、テニス界を騒然とさせている。膝のけがの影響で、昨季のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)後にシーズンを途中終了し、世界ランキングも17位まで低下したフェデラーは、28回目となるグランドスラムの決勝で自身が持つ最多優勝回数17の更新に挑む。

 準決勝でスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)とのフルセットに及ぶ激闘を制したフェデラーは、1974年に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)でケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏が打ち立てた39歳と310日に次ぐ年長でのファイナリストとなった。

 フェデラーによると、復活の大きな要因は昨シーズン序盤に手術を施した膝が必要としたキャリア最長の休養期間だという。

 19年に及ぶキャリアの中で、ほとんど故障をしてこなかったフェデラーは、「やって良かった。まともな状態にするには、本当にたくさんの治療を施すしかない」としたうえで、「僕が実感したのは調子が良くなく、多くの問題を抱えているときは、トップ10の選手には勝てないということだ」と語った。

 また、自身6度目の決勝にたどり着くまでの6試合で計13時間40分を費やしたフェデラーだが、「とにかく再び万全な状態になりたかったんだ。今週はうまくいっているしうれしい」と好調を強調。大一番に向けては、「ここオーストラリアで全力を出し切る。もし、また5か月間歩けなくなったとしてもね。持っているものすべてを出し尽くすよ」と意気込みを口にした。

 さらにフェデラーは、トップハーフでの上位進出は世界1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)の敗退に助けられた部分もあるといい、3時間を超えるワウリンカとの一戦では、自信を叱咤(しった)する必要があったと明かした。

 フェデラーは「ここまで自分の想像のはるか上をいっている。第5セットでも自分にそう言い聞かせていたよ」とすると、「とにかくリラックスしようぜ、復帰はすでに最高の形。ラケットを振って、どうなるか見てみようよと唱えた」と話した。

「それが準々決勝、準決勝で見つけた考え方。失うものはないみたいな思考だね」

「その考えが持てたここ6試合は非常に良い。うまく作用しているし、続けていきたいと思う」(c)AFP/Robert SMITH