■脂肪を移す

「体形矯正」と呼ばれる施術では、人工の充填(じゅうてん)剤を使う代わりに、脂肪吸引術で除去した脂肪を体の別の部位に戻すケースがますます増えている。

 この技法は新しいものではないが、技術の向上によって需要が爆発的に増加している。

 サルツ氏によると、従来の方法では注入した脂肪の大半が人体に吸収されてしまうため、施術を何度か繰り返し行わなければならなかったという。

 また、合成の充填剤も繰り返し施術する必要がある一方、恒久的な注入物質は人の顔とともに老化しないため、「数年後に見た目が悪くなる可能性がある」と、サルツ氏は指摘する。それに対し、脂肪は天然由来で、現在は長持ちするようにもなっている。

「今日、脂肪をどのように準備したらよいかについて、多くのことが明らかになっている。遠心分離機にかけ、不純物を取り除き、洗浄して、脂肪から血液や水分を除去した後、非常に小さな注射器を使って、とても小さな針で注入する」と、サルツ氏は説明した。

 患者自身から採取した脂肪を使うため、拒絶反応や異物を体内に入れるリスクを患者が負うことはない。

 さらに、脂肪は豊富にある。

「大半の患者は、腹部や太ももの脂肪はいらないと考えているため、それを吸引すれば、脂肪を提供する側とその提供を受ける側の両方が改善される」とサルツ氏は述べた。

■非侵襲性

 全般的にみれば、流行は外科手術から、麻酔不要で回復が早く、リスクも低い非侵襲的な処置に移行している。

 肌を引き締めて「若返らせる」ためのレーザー治療や、「顔の表情を良くするために」しわ取り治療用のボトックス(Botox)などの筋肉をまひさせる製品を注射する処置などの需要が高まっていると、サルツ氏は指摘した。

 ISAPSのデータによると、2015年に世界で形成外科医が実施した外科手術は960万回だったのに対し、外科手術を行わない処置の実施数は1200万回以上に上ったという。/Mariëtte Le Roux