【1月27日 AFP】トルコで昨年7月に発生したクーデター未遂事件を受けて政府が進める粛清をめぐり、これまでに5300人以上の国民が人権救済機関の欧州人権裁判所(ECHR)に不服を申し立てたことが分かった。ECHRのグイード・ライモンディ(Guido Raimondi)長官が26日、明らかにした。

 ライモンディ長官はECHRの本部があるフランス東部ストラスブール(Strasbourg)で記者団に対し、クーデター未遂事件後のトルコ政府の取り締まりに関連したトルコ国民の申し立ては5363件に上ったと語った。件数は昨年ECHRに寄せられた申し立ての10%強に当たるという。

 トルコ国民からは政府による取り締まりとは無関係な申し立ても2945件あり、これらも含めるとトルコ国民の申し立ては8308件と前年の4倍に膨らんだ。

 トルコ当局はレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権の転覆を狙った昨年7月15日のクーデター未遂事件後、関係者の大規模な取り締まりに乗り出し、10万人以上を停職または解雇処分にしている。

 エルドアン大統領は先週、米国に亡命中のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師との関係が疑われるとして、これまでに約4万3000人の身柄を拘束したと明らかにした。トルコ当局は事件を起こしたのはギュレン師の支持者だと断じている。(c)AFP