【1月25日 AFP】(更新、写真追加)米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が24日、第89回アカデミー賞(Academy Awards)の候補を発表し、ショービジネスの世界をロマンチックに描いたデミアン・チャゼル(Damien Chazelle)監督のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド(La La Land)』が史上最多に並ぶ14のノミネートを受けた。また、黒人俳優がすべての演技部門でノミネートされたのも初となった。

 ハリウッド(Hollywood)黄金期のミュージカルに対するチャゼル監督のオマージュを映画化した『ラ・ラ・ランド』は作品賞、監督賞をはじめ、ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)とエマ・ストーン(Emma Stone)がそれぞれ主演男優賞と主演女優賞にノミネートされ、他に9部門で10のノミネートを果たした。

 これにより同作は、『イヴの総て(All About Eve)』(1950年)と『タイタニック(Titanic)』(1997年)に並ぶアカデミー賞史上最多の14ノミネートとなった。

 過去2年のアカデミー賞では黒人俳優や監督が1人もノミネートされず、ソーシャルメディア上ではハッシュタグ「#OscarsSoWhite(オスカーは真っ白)」付きの投稿が相次ぎ、授賞式へのボイコットを呼び掛ける動きにつながるなどの物議を醸したが、今年は過去最多となる6人の黒人俳優がノミネートされている。

 マハーシャラ・アリ(Mahershala Ali)とナオミ・ハリス(Naomie Harris)は映画『ムーンライト(Moonlight)』でそれぞれ助演男優賞、助演女優賞の部門で初ノミネートに輝き、2度のオスカー受賞歴を持つデンゼル・ワシントン(Denzel Washington)と3回目のノミネートとなったヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis)は映画『Fences(原題)』での受賞が期待されている。

 この他、ルース・ネッガ(Ruth Negga)が『ラビング 愛という名前のふたり(Loving)』で主演女優賞、これまでにもオスカーを1度手にしているオクタヴィア・スペンサー(Octavia Spencer)が『Hidden Figures(原題)』で助演女優賞にノミネートされた。

 昨年までの流れとは打って変わって黒人俳優が多くノミネートされたことについてAMPASのシェリル・ブーン・アイザックス(Cheryl Boone Isaacs)会長は、「関係するのは才能だけ。毎年、私たちはその年の才能と映画を表彰しているが、今年は単に見事だった」と述べた。

 授賞式は2月26日に開催される。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT