【1月24日 AFP】英国が欧州連合(EU)からの離脱過程に入る前に、議会の承認が必要かどうかが争われた訴訟で、英最高裁は24日、高等法院による一審判決を支持し、承認が必要との判決を下した。上告していたテリーザ・メイ(Theresa May)政権が敗訴した格好だ。

 英最高裁のデービッド・ニューバーガー(David Neuberger)長官は「本日最高裁は8対3の賛成多数により、議会制定法による承認がない限り、政府はEU基本条約(リスボン条約、Lisbon Treaty)第50条を発動することはできないという判断に至った」と述べた。

 その一方で最高裁は、英政府がEU離脱交渉を開始する前にスコットランド(Scotland)、北アイルランド(Northern Ireland)、ウェールズ(Wales)の各議会と協議を行う法的義務はないと判断した。同長官は「英閣僚らには法律上、権限委譲議会(3地方の議会)の意見を求める義務はない」と述べた。これにより、EU離脱の大きな障壁となる可能性のあった要素は取り除かれた。(c)AFP