【1月20日 AFP】西アフリカ・ガンビアのヤヤ・ジャメ(Yahya Jammeh)大統領が昨年12月の大統領選での敗北後も居座っている問題で、セネガルなど近隣5か国は19日、退陣を迫るためガンビア領内への軍部隊派遣に踏み切った。その後、協議による解決を目指して作戦はいったん停止されたが、依然として緊迫した情勢が続いている。

 セネガル軍当局者はAFPに対し「陸・海・空を含む」部隊がガンビア領内に入ったと説明。ナイジェリア、ガーナ、トーゴ、マリの部隊も参加していると述べた。セネガル軍報道官も自国部隊による越境を認めた。ナイジェリアはガンビア上空にジェット機を飛来させた。

 その後、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、ジャメ氏に対する最後の説得のため作戦を停止したことを明らかにした。ECOWASのマルセル・アラン・ドゥ・スザ(Marcel Alain de Souza)委員長によると、ジャメ氏との協議はギニアのアルファ・コンデ(Alpha Conde)大統領の主導で、20日午前にガンビアの首都バンジュール(Banjul)で行う予定。

 同委員長は「正午までに彼(ジャメ氏)がガンビアからの退去に同意しなければ、われわれは本当に軍事介入を行う」と警告した。

 一方、選挙で勝利したアダマ・バロウ(Adama Barrow)氏は19日、セネガルの首都ダカール(Dakar)にあるガンビア大使館で就任式を行った。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)はその直後に、ECOWASによる政権移行に向けた取り組みを支持する決議を全会一致で採択した。ただ軍事介入については公式には認めていない。

 ジャメ氏が17日に非常事態宣言を発令したため、ガンビア国内では緊張が高まっているが、バンジュールでは市民が通りに出てバロウ新大統領の就任を祝った。その中にはウスマン・バドジェ(Ousman Badjie)陸軍参謀長の姿も見えた。同氏は18日、近隣諸国が軍事介入した場合は配下の部隊に戦闘を命じない意向を示している。(c)AFP/Malick Ba in Dakar with Jennifer O'Mahony and Emil Touray in Banjul