【1月20日 AFP】トルコ議会で19日、大統領の権限を強化する憲法改正案の審議中に支持派と反対派の議員同士による乱闘騒ぎが起き、少なくとも議員2人が負傷した。現地メディアが報じた。

 報道によると、負傷したのはクルド系主要政党の野党・国民民主主義党(HDP)の議員と与党・公正発展党(AKP)の議員各1人ら。

 改憲案はレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に行政権を含めた権限を集めることになるもので、論争を巻き起こしている。議会では現在、2回目の審議が行われている。

 写真には、議会から女性2人が担架で搬送される様子が写っている。

 事の発端は、無所属のアイリン・ナズルアカ(Aylin Nazliaka)議員が改憲案への抗議として、議場の壇上で自分の手首を手錠によってマイクに結び付け、その場に1時間以上にわたって居座ったことだった。

 地元メディアは、与党議員らがナズルアカ議員を追い立てようとしたところ、HDPと野党・共和人民党(CHP)の議員らがナズルアカ氏を擁護しようと駆け寄り、殴る蹴るの乱闘に発展したと伝えている。

 日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)によると、腕と脚に義肢を使用している車いすのCHP議員、サファク・パベイ(Safak Pavey)氏が床に投げ出され、同僚議員らに助け起こされる一幕もあった。(c)AFP