【1月16日 AFPBB News】正月のしめ飾りやお札、書き初めなどを積み上げて焼き、一年の無事を祈る火祭り「左義長(さぎちょう)」が14日、神奈川県大磯町の北浜海岸で行われ、地元住民のほか多くの見物客でにぎわった。同県では長年「大磯の左義長」として親しまれ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 わらや木材を組んだ「サイト」と呼ばれる高さ約8メートルの円錐型の塔9基に、恵方の方角から火がともされると、炎が瞬く間に夜空を照らし、花火のように火の粉が舞い上がる。ほどなくして、ふんどし姿の男性たちがサイトの周りに集まり「ヤンナゴッコ」と呼ばれる綱引き行事を始めると、熱気は最高潮に達し、あちらこちらで歓声が上がった。

 宮城県大崎市の主婦、佐藤松江(Matsue Sato)さん(60)は「すごい迫力。来たかいがあった」と驚きを隠さない。家族と訪れていた地元在住の会社員、出縄馨(Kaori Idenawa)さん(47)は、「幼い頃から何度も参加してきた行事。左義長が終わると一年が始まる気がする」と、サイトの火でだんごをあぶり無病息災を祈願した。(c)AFPBB News