【1月16日 AFP】(更新)米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領は15日付の英紙タイムズ(The Times)のインタビューで、核兵器の大幅な削減とロシアに対する経済制裁の緩和に向けたロシアとの取引を呼び掛けた。また英国の欧州連合(EU)離脱を歓迎する半面、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の移民政策を批判した。

 20日に就任するトランプ氏は「ロシアには経済制裁が科されており、ロシアと良い取引ができるか取り組みたい。その一環として核兵器を大幅に減らすべきだと考えている」と述べた。

 英国が昨年、国民投票でEUからの離脱を決めたことについては「素晴らしいこと」と称賛。欧州への難民の流入が離脱決定の理由だったとの見方を示した。

 その上で「国民は自らのアイデンティティーを求めているのだと思う」と述べ、英国に続いてEUを離脱する国が出てくると予想した。

 また、英国との2国間貿易協定に迅速に取り組む意向を示すとともに、就任後すぐにテリーザ・メイ(Theresa May)英首相と会談する予定であることも認めた。

■破滅的な誤り

 ドイツのメルケル首相については「破滅的な誤りを一つ犯したと思う。出身国を問わず、不法移民たちをすべて受け入れてしまったことだ」と述べた。ただ、同首相のことは「とても尊敬している」とも続けた。

 ドイツでは2015年、シリア内戦によって大勢の避難民が生まれる中、メルケル首相が打ち出した移民受け入れ政策によって大量の移民が流入した。

 一方、タイムズに加えドイツ日刊紙ビルト(Bild)にも掲載されたインタビューでは、北大西洋条約機構(NATO)について、組織の設計がかなり前に行われたため「時代遅れ」になっているとこき下ろし、テロリズムにも対応できていないと批判した。

 NATOは自身にとって今でも「非常に重要」だとする一方、「われわれは加盟国を守るだろうが、多くの加盟国が支払うべきものを支払っていない。これは米国にとって非常に不公平だと考える」と持論を展開した。(c)AFP