【1月15日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は14日、トランプ氏が昨年の大統領選で当選したのは正当ではなかったとして20日の大統領就任式を欠席すると表明した民主党のジョン・ルイス(John Lewis)下院議員(76)をツイッター(Twitter)で攻撃した。

 ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)とのその周辺の黒人が多数を占める地区などを選挙区とするルイス議員は、故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師が率いた1963年の「ワシントン大行進」にも参加し、数十年にわたって公民権運動に尽力してきた人物として知られている。

 そのルイス氏が、キング牧師をたたえる休日を数日後に控えた13日、米NBCの番組「ミート・ザ・プレス(Meet the Press)」で「私はこの次期大統領を正当な大統領とはみていない」と述べ、トランプ氏の大統領就任式には出席しないと語った。これまでに就任式欠席を表明した民主党議員のなかでルイス氏は最も有名な人物だ。

 NBCのインタビューで、ルイス氏は下院議員に初当選した1987年以降で初めて大統領就任式を欠席する理由として昨年11月8日の米大統領選へのロシアの介入を挙げた。「ロシアの介入がこの男の当選を助け、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)の妨害に手を貸したと思っている」

 ルイス氏のインタビューの全編は15日に放映されるが、トランプ氏は早くも14日朝、ツイッターでルイス氏を攻撃した。「ジョン・ルイス下院議員は、大統領選の結果に不当な文句をつけるより自分の選挙区の立て直しや支援にもっと時間を費やしたほうがいい。無残な状態で崩壊寸前だぞ(犯罪がはびこっていることは言うまでもない)」「口先だけで行動も成果もない。悲しいことだ!」

 14日には首都ワシントン(Washington D.C.)で、今月20日の大統領就任式を前にキング牧師をたたえるとともにトランプ次期大統領に抗議するデモ行進が行われ、国立公園ナショナル・モール(National Mall)内のキング牧師記念碑近くの公園を終着点とした行進にはおよそ2000人が参加した。(c)AFP/Sébastien BLANC