【1月29日 AFP】（訂正）全豪オープンテニス（Australian Open Tennis Tournament 2017）は28日、女子シングルス決勝が行われ、大会第2シードのセレーナ・ウィリアムス（Serena Williams、米国）は、第13シードで実姉のヴィーナス・ウィリアムス（Venus Williams、米国）を下し、最多記録となる通算23度目の四大大会（グランドスラム）制覇を達成し、世界ランク1位へ返り咲くことになった。

　セレーナは6-4、6-4と完勝して通算7度目の全豪制覇を飾り、シュティフィ・グラフ（Steffi Graf）氏が誇ったオープン化以降のグランドスラム歴代最多優勝数22勝を更新した。1999年の全米オープンテニス（US Open Tennis Championships）制覇以降、約18年での記録達成となった。

　昨年のウィンブルドン選手権（The Championships Wimbledon 2016）でグラフ氏の記録に並んでいた35歳のセレーナは、この日試合が行われたロッド・レーバー・アリーナ（Rod Laver Arena）の貴賓席にいたマーガレット・コート（Margaret Court）氏が持つオープン化以前の優勝を含めた通算24勝にもあと1勝と迫っている。

　試合後、「23」と刻まれたシューズを履いてポーズを取ったセレーナは米スポーツ専門チャンネルESPNに対し、「偉業を目指している大会中は、数字にとらわれたくありません。これからはお話しできます。本当に最高です。周りが想像する以上に23勝目を手にしたかったんです。それでも、自分にこう言い続けていました『セレーナ、22勝だってそこまで悪くないじゃない』って」と語った。

「ここで23勝目を挙げられたことは特別なことです。ヴィーナスとの対戦ということもありましたし、自分の初めてのビッグマッチが、彼女とのここでの試合だったということもあります。この試合を迎えるに当たって、一周回ってきたような感じがしました」

　この偉業達成により、アンゲリク・ケルバー（Angelique Kerber、ドイツ）の世界ランク1位からの陥落も決まった。ケルバーは、昨年9月、3年半在位していたセレーナをその座から引きずり下ろしていた。

　ネットの反対側にいた姉のヴィーナスとともに、長らく抱き合って勝利の瞬間を分かちあったセレーナは、「彼女（ヴィーナス）なしでは23勝を挙げられなかったです。いなかったら1勝もできなかったでしょう。彼女は私を鼓舞してくれる人。私が今日ここに立っていること、そしてウィリアムス姉妹が存在することのたった一つの理由が彼女なんです」と続けた。

　グランドスラムデビューとなった19年前の全豪2回戦でセレーナは、まだ十代だったヴィーナスの前に敗れた。そこから両者は主要大会の決勝で9回対戦し、苦楽をともにしてきた。

　36歳のヴィーナスは往年のプレーを披露し、2009年のウィンブルドン選手権以来となるグランドスラム決勝に進出したものの、通算8勝目はお預けとなった。

　感極まったヴィーナスは、「セレーナ・ウィリアムス。みなさん、私の妹です。セレーナ、23勝目おめでとう。普段以上の力出すことができて、またあなたと対戦する機会を手にしたことは、並大抵なことではありません」 (c)AFP/Martin PARRY