【1月14日 AFP】男子テニス、元世界ランク1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は13日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は自分の好みではないと明かし、母国の政権に対してもあまりに芝居じみていると失望感をあらわにした。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)の開幕を控えるナダルは、スペインのニュースサイト「エルエスパニョル(El Espanol)」で「トランプ氏の遊説中に米国にいたが、自分の好みには合わない」とコメントし、米国の政治情勢に詳しいわけではないとしながらも、「彼の話し方は別に気にならないが、自己表現のやり方は自分の好みとは違うというのが本音だ」と続けた。

 ナダルはさらに「正直なところ、対立候補にもぴんとこなかった」とも話しており、選挙に敗れた民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官についても、それとなく言及した。

 マヨルカ(Mallorca)島出身で、四大大会(グランドスラム)通算14勝を誇るナダルは、世界の要人となったトランプ氏について、物事を進めるのに自己流を貫いていけるとは限らないという見解を示し、自分を納得させていた。そして、先日の第74回ゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)授賞式でトランプ氏を批判した米女優のメリル・ストリープ(Meryl Streep)さんよりも、同氏に対する評価は言葉を選んでいた。

 一方、ナダルの母国スペインでは、2015年12月に行われた総選挙の結果、同国保守派与党・国民党の党首、マリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相が新たに少数与党政権を率いることになったものの、新政権は事実上、昨年のほとんどで機能停止状態となっていた。

 これについても30歳のナダルは「すべてが芝居じみている、スペインはショーではない。スペインは国であり、われわれの現在であり、そして未来なんだ」と批判し、国家のためにそれぞれの主義を持つ政党が手を差し伸べていくべきだと指摘した。

 昨季は手首の故障に悩まされたナダルだが、16日に開幕する全豪オープンへの準備はできていると話しており、このままの調子を維持できれば、全盛期の状態に戻れるとしている。

 現在世界ランク9位のナダルは今月、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)で優勝を飾り、ブリスベン国際(Brisbane International 2017)では準々決勝でミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)に敗れたもののベスト8入りを果たすなど、少なくとも試合での調整は順調に進んでいる。

「故障の有無はともかく、これまでの自分のキャリアには本当に満足している。だけど、これ以上強くなりたいと思わないわけでない。もちろん、そう望んでいるよ」 (c)AFP