【1月13日 AFP】2015年にハンガリーで、警察から逃げる移民らを蹴る様子を世界中で報じられた女性カメラマンに対し、同国の裁判所は12日、暴力行為による軽犯罪法違反での有罪と、3年間の保護観察処分を言い渡した。

 テレビカメラマンのペトラ・ラースロー(Petra Laszlo)被告は2015年9月8日にセルビアとの国境付近で、子どもを抱えて警察から逃げる移民の男性に足を引っ掛けて転ばせたり、走っていた別の子どもを蹴ったりする様子を撮影された。この行為に対し、世界中で非難が巻き起こった。

 その後、ラースロー被告はハンガリーの極右政党ヨッビク(Jobbik)に近いインターネット番組放送局「N1TV」に所属していたことが判明。この行為を理由に被告は解雇された。

 同国南部セゲド(Szeged)の裁判官は、ラースロー被告の行為が「義憤と憤慨」を引き起こし治安を乱したとして、弁護側の自己防衛との主張を退け、3年間の保護観察処分を言い渡した。ただし観察期間中に犯罪行為をしなければ、有罪は取り消される。

 問題の映像が撮影された2015年9月当時、欧州連合(EU)内で旅券なしの越境を認めるシェンゲン(Schengen)圏の南の玄関口に当たるハンガリーには毎日数千人規模の移民が流入していた。(c)AFP