【1月13日 AFP】スイスの腕時計メーカーが12日、ケース(外装部分)がスイス産チーズでできた100万ユーロ(約1億2200万円)の腕時計を披露した。

 同国の高級腕時計メーカー、H.モーザー(H.Moser)製のこの時計は「スイス・メード」(スイス製)ならぬ「スイス・マッド(Swiss Mad)」を名乗っており、新規制への当て付けとして作られた。

 これまでは、国内調達部品の割合が50%に達していればスイス製ラベルを使用することが可能だったが、年初から施行された新たな法律により、その割合が60%に引き上げられたからだ。

 H.モーザーは同法の施行以降、「スイス製」を名乗ることを止め、「これまでに作られた中で最もスイス的な」時計を発表すると宣言していた。

 文字盤部分はスイスの国旗にちなんだ赤と白で、スモークレッドの文字盤に15分刻みの白いインデックスがついている。ケースの縁どりに使用されているチーズは、モーザーのエドゥアール・メイラン(Edouard Meylan)最高経営責任者(CEO)の故郷の村で冬季に作られるチーズ「バシュラン・モン・ドール(Vacherin Mont d'Or)」で、耐久性を強化するために樹脂でコーティングされている。

 価格は、108万1291フラン(約1億2300万円)。スイス連邦建国の1291年8月1日にちなんでいる。

 メイラン氏は「この時計の売り上げによる全ての収入は、現在の困難な経済情勢とアジアへの外注によって苦しめられているスイスの非系列メーカーを支援するための基金設立に使う」と述べている。(c)AFP