【1月13日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally 2017)は12日、第10ステージが行われ、重傷を負った競技者のためにレースを中断して付き添うスポーツマンとしての決断が報われたプジョー(Peugeot)のステファン・ペテランセル(Stephane Peterhansel、フランス)が、四輪部門の総合首位を奪還した。

 この日のレースでは当初、世界ラリー選手権(WRC)で9度の総合優勝を誇り、ペテランセルのチームメートでもあるセバスチャン・ローブ(Sebastien Loeb、フランス)が、4時間54分28秒で今ステージの勝者に認定された。2分33秒遅れの2位にはプジョーのシリル・デプレ(Cyril Despres、フランス)が入り、ペテランセルは6分45秒遅れで3位だった。

 しかし、ダカールで通算12度の総合優勝を誇るペテランセルは、二輪部門に出場していたKTMのシモン・マルチッチ(Simon Marcic、スロベニア)と83キロ地点で衝突した際にマシンを止めていたとして、レース後に大会組織によってタイムが14分13秒早められた。マルチッチはこの事故で左脚を骨折すると、51歳のペテランセルは病院へ搬送するための救急医療用ヘリコプターが到着するまで、うずくまっていたけが人に付き添った。

 残り2ステージの計9000キロメートルを残し、5分50秒差で総合争いをリードしているペテランセルは「本当に難しいレースだった。誰もが完全に方向を見失っていた」と語った。

「マルチッチは私を見てブレーキをかけたが衝突してしまった。彼の脚は折れていたが、まだ意識はあった」

「15分から20分ほど彼のそばにとどまり、医療ヘリが来るのを待った。それからレースを再開してスピードに乗ることは本当に難しかった。簡単な日ではなかったが、重要なのは今日のレースではなく、バイカーと衝突したことだ」

 一方、二輪部門ではKTMのサム・サンダーランド(Sam Sunderland、英国)が総合首位を維持した一方で、ハスクバーナ(Husqvarna)のパブロ・キンタニージャ(Pablo Quintanilla、チリ)がクラッシュでリタイアしている。

 キンタニージャが白旗を上げた競技区間約400キロメートルに及ぶ目もくらむような今ステージを終えたサンダーランドは、総合2位につけるKTMのマティアス・ウォークナー(Matthias Walkner、オーストリア)との差を約30分に広げた。(c)AFP